この記事は「棚・ショーケース(家具)」のガイドです。 卓上で密閉できるアクリルケースを探している方は → ケース総合ガイド へ。
この記事の使い方(棚とケースで迷っている段階の判別)
棚が向いている人
- 複数体をまとめて見せたい
- 高さや段数を調整して拡張したい
- 部屋の家具になじむ見た目を重視
- 照明や背面ミラーで映えるレイアウトにしたい
ケースが向いている人
- ホコリやUVを極力避けたい
- 卓上など省スペースで飾りたい
- 出し入れ頻度が高く前扉が欲しい
- 一点物をピンで保護したい
まずは棚の基本タイプを把握する
ガラスショーケース
高透明で映える王道。鍵付きや背面ミラー付きが多く、ライトアップ相性も良い。重量があるため耐震固定は必須。棚板の耐荷重を確認し、重いスタチューは下段に。
木製キャビネット
インテリアに溶け込むデザイン。扉付きならホコリ対策にも。湿気で扉の当たりが変わることがあるため、除湿剤や換気を併用。
スチールラック(メタルラック)
棚ピッチ調整や拡張が容易でコスパ良好。オープン構造なのでホコリ対策が課題。透明カバーや簡易扉の追加で快適に。重量物は支柱近くへ寄せたわみを抑える。
壁面シェルフ・壁掛け
床面積ゼロで設置可能。下地へのビス留めと耐荷重遵守が前提。前縁にアクリルバー等のガードで落下対策。
DIY・オーダー
寸法を最適化したい人向け。材料費と手間はかかるが自由度が高い。重量計算、耐震補強、開口部クリアランスなど安全設計最優先。
失敗しないためのチェックリスト
- 採寸:設置場所の幅・奥行・天井高、開き扉の可動範囲まで図る。
- 内寸と余白:最も背の高い個体に対し上部20%の余白、横・奥行は各2〜3cmの余裕。
- 耐荷重:棚板一枚と総耐荷重を確認。重いものは下段、軽いものは上段。
- 耐震:壁固定・天井突っ張り・転倒防止ベルトを基本セットに。脚元は滑り止めやジェルで安定化。
- ホコリ対策:扉付きやパッキン付きが理想。オープンは定期清掃+防塵カバー併用。
- 照明・配線:LEDで低発熱。配線穴やコードの逃げを先に計画。
- 防犯・安全:鍵付き扉や飛散防止フィルム。小さな子ども/ペット環境はガラス取扱いに注意。
サイズ設計の目安
| コレクション傾向 | 推奨内寸の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 1/8中心・小型 | 奥行 25〜30cm/段間 28〜32cm | 段差スタンドと相性が良い |
| 1/7〜1/6 混在 | 奥行 30〜35cm/段間 35〜40cm | 奥行は余白2〜3cmを確保 |
| スタチュー・ジオラマ | 奥行 35cm以上/段間 40cm以上 | 重量配分と下段配置を徹底 |
数値は目安です。台座やエフェクトで寸法が変わるため、最終判断は現物採寸を優先してください。
ブランド・ショップ別の選び方メモ
IKEA のガラスキャビネット
シンプルで合わせやすいデザイン。モデルにより棚板の固定/可動や扉の当たりが異なるため、現物または最新仕様を確認。重量があるので搬入動線と設置場所の強度もチェック。
ニトリのディスプレイラック
コスパとサイズ展開が強み。背面ミラーや鍵付きのコレクションケース系、突っ張りタイプなど選択肢が広い。ホコリ・UVは必要に応じてカバーやフィルムを追加して補う。
100均・低予算の活用
段差スタンド、ミニライザー、配線クリップ、埃取りツールなど補助アイテムの調達に最適。簡易ケースは防塵カバー用途が中心で、長期展示の主役というよりはお試し・サブとして使う。
レイアウトを映えさせる小ワザ
- 段差スタンド:奥を一段高くし、手前と奥で視線を分ける。
- 背面ミラー:奥行を演出し、背面造形も見せられる。
- LEDスポット:上からだけでなく斜め当てで陰影を作る。
- 背景ボード:色ベタや簡易グラデで主役を引き立てる。
- ターンテーブル:一点物は回転展示で存在感を上げる。
初心者がつまずきやすい点と対策
- ホコリが想像以上に溜まる → 扉付きやカバー併用。月1のブロワーとハケ掃除を習慣化。
- 日差しの影響を後から知る → 直射は避け、必要に応じて窓にUVフィルムや遮光。照明はLED中心。
- 耐震を後回しにする → 設置と同時に壁固定・突っ張り・ジェルを実施。重いものは下段。
- すぐ満杯になる → 最初からシリーズ化できる棚や、同型連結ができる設計を選ぶ。
- 棚板がたわむ → 耐荷重を守り、支柱近くに配置。可能なら棚板追加や厚板へ変更。
耐震固定の基本手順(HowTo)
- 設置位置の決定:窓や出入口から離し、左右どちらかの壁に寄せる。
- 水平出し:脚のアジャスターでガタつきを解消。水平器で確認。
- 壁固定:L字金具または転倒防止ベルトで壁下地(柱)へ固定。
- 天井突っ張り:可動ポールで天井面へ突っ張り、前後動を抑制。
- 棚内固定:重いフィギュアは下段。台座に薄型ジェルで滑り止め。
- 仕上げ:扉の当たりと鍵の動作を再確認。配線の遊びを束ねる。
「棚」と「ケース」の分岐まとめ
| 目的 | 最短で満たす選択 | 関連記事 |
|---|---|---|
| 映えと大量展示 | ガラスショーケース or スチールラック | レイアウト小ワザ |
| ホコリとUV対策を強めたい | 卓上アクリルケース | ケース総合/UVの考え方 |
| 省スペースで数体を守る | 小型ケース+段差スタンド | どこで買う |
よくある質問
ガラスは危なくないですか?
設置と同時に壁固定・突っ張り・飛散防止フィルムを行えばリスクは大幅に低減します。重いフィギュアは下段。搬入と組立は二人以上が安心です。
黄ばみや退色が心配です
棚の位置を直射の当たらない場所にし、窓にUVフィルムを貼るのが手早い対策です。強めの対策やピン展示にはケースが向きます。→ UV対策の考え方
棚板の高さはどのくらいが良いですか?
目安はフィギュアの全高+上部20%の余白。台座やポーズで変わるため、最も背の高い個体で決めると失敗が減ります。
関連記事
アクリルケースの総合ガイド / UVは必要かの見極め / 最短で買える場所まとめ / 素材比較の考え方
まとめ
- 棚は映えと収容力、ケースは保護と省スペースが強い。目的で選ぶ。
- サイズは内寸基準+上部20%の余白が基本。耐荷重と耐震を最優先。
- ホコリ・UV・照明・配線まで最初に設計すると後悔が少ない。
- ケース派は本文の分岐からケース総合へ回遊。
